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新型コロナウィルス感染症(COVID-19):重症化リスク因子

2020年11月(予定)に尼崎市東七松町に新しく開院する内科、呼吸器内科クリニック「まつうら内科」院長の松浦 邦臣です。

今回は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の重症化リスク因子についてコメントしていきたいと思います。

 

 

【重症化のリスク因子】

・60歳以上は重症化や死亡のリスクが高く、特に80歳以上では9%の方が亡くなった。

・併存疾患がない場合では、死亡率4%である一方、併存疾患がある場合は、心血管系疾患13.2%>糖尿病9.2% >高血圧8.4% >慢性呼吸器疾患8.0%と高かった。

(Report of the WHO-China Joint Mission on COVID-19   Feb 28. 2020)

・65歳以上、男性、心血管系疾患、糖尿病、肥満がより重症化し易い。ただし、どの年代の、たとえ健常人であっても、重症化はありえる。

(Severe COVID-19 : N Engl J Med CLINICAL PRACTICE    May 15. 2020)

 

中国武漢でのエピデミック時より、肺気腫や喘息といった呼吸器の疾患があると重症化し易いとの報告がありましたが(Report of the WHO-China Joint Mission on COVID-19   Feb 28. 2020)、5月にパブリッシュされたNEJMには、65歳以上、男性、心血管系疾患、糖尿病、肥満がより重症化し易い。ただし、どの年代の、たとえ健常人であっても、重症化はありえる(Severe COVID-19 : N Engl J Med CLINICAL PRACTICE    May 15. 2020)と記載され、呼吸器疾患について具体的に言及されていませんでした。これはもちろん、呼吸器疾患が重症化しないとという意味ではありませんが、それよりも心血管疾患、肥満(BMI=30以上)、糖尿病といった因子のほうがより危険であると理解してよいと思います。

私の外来に通院されているCOPDや喘息の患者さんは、常にCOVID-19に対する危機意識が高く感染予防にとても関心をもっています。一方で、普段とても元気だが、じつは肥満であったり糖尿病といった疾患を持っている方への注意喚起は、もっともっと必要であると感じています。

 

※新型コロナウィルス感染症についてはまだ解明されていない部分も多く、あくまで2020年6月時点での私見であることをご了解ください。

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