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2020年11月(予定)に尼崎市東七松町に新しく開院する内科、呼吸器内科クリニック「まつうら内科」院長の松浦 邦臣です。
開院に先立ち今日は、当院のコンセプトである「健康長寿×ポリファーマシー」について少しお話ししようと思います。
■「健康長寿(けんこうちょうじゅ)」とは
WHO(世界保健機関)が提唱した健康寿命(けんこうじゅみょう)という言葉があります。これは平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間のことで、日本でもH26年の厚生労働白書で、健康寿命をいかに伸ばすかという課題に政府として取り組むことが発表されています。「健康長寿」という言葉は、この考え方を基に、ただ長寿をめざすのではなく、肉体的にも精神的にも健康でかつ長寿を目指すという視点で使われるようになりました。
■ポリファーマシーとは
日本老年医学会が発表した、「高齢者において薬によって引き起こされる不利益(有害事象と言います)は、処方された薬の数に比例して増える」という考え方で、とくに薬の数が6種類を超えると不利益が増加するとされます。一方で、治療に適正な薬の数が当然6種類を超えることもありますし、処方された薬の数が少なすぎて問題が発生することもあります。大切なことは、適切な薬と優先順位の低い薬を見極めて、薬が多すぎないか、見直しができるのではないか、ということを常に考えながら治療することだといえます。
人は誰でも、年齢ともに健康を損なうリスクが高まっていきます。食事に気をつけ、運動をし、ときには薬を飲むことでそのリスクをコントロールしていくのですが、過度な食事制限や運動がかえって健康を損なうように、増え過ぎた薬もまた健康を損なうかもしれません。人それぞれ適切な食事量、運動量があるように、患者さん個人個人に適切な薬の量を一緒に考え、結果として健康長寿になって欲しいという願いを込めて、「健康長寿×ポリファーマシー」を当院のコンセプトとしました。